四時間が経過し、救急室の灯りがようやく暗くなり、扉がゆっくりと開いた。
影山瑛志は急いで医師の前に駆け寄り、その腕を掴んで尋ねた。「先生、私の婚約者はどうですか?彼女と赤ちゃんは大丈夫ですか?」
医師はマスクを外し、「患者さんは大きな問題はありません。ただ、まだ少し体力が弱っています。幸い、早めに搬送されたおかげで、胎児も無事です」と答えた。
この言葉を聞いて、影山瑛志はようやく安堵の息をついた。
影山瑛志が蘇我紬を病室へ車椅子で運ぶ途中、彼は蘇我紬の手をしっかりと握り、彼女の蒼白い顔を見つめながら心を痛めた。
江口希美は脇に置き去りにされ、二人が遠ざかっていくのをぼんやりと見つめた後、ゆっくりとしゃがみ込み、自分を抱きしめて泣き出した。
蘇我紬が無事で良かった、赤ちゃんも無事で良かった。そうでなければ、本当に自分を責めていただろう。