387 開業大吉

「お兄さん……」江口希美はこの現実を受け入れるしかなく、一瞬で悲しみが込み上げてきた。「でも、一つお願いがあります。おじいちゃんには私が彼の重病のことを知っていることを言わないでください。おじいちゃんがもっと心配するのが怖いんです。」

「わかった」影山瑛志は頷いて承諾した。

約束を得た江口希美は立ち上がって、病院に戻った。

病室に入るとすぐに、江口天真が目を覚ましているのを見て、彼女は喜びに満ちた。窓際まで駆け寄り、「おじいちゃん、やっと目が覚めたのね、よかった!」

「心配をかけたな」今の江口天真は、声が弱々しかった。

「医者が言うには、ゆっくり休まないといけないし、興奮してはいけないって。ごめんなさい、おじいちゃん。私があなたを怒らせるべきじゃなかったの」江口希美は自責の念に駆られた。