一時間後、影山瑛志は影山海人と蘇我紬を連れて病院に着いた。
病院に着くと、冷たい雰囲気が蘇我紬の沈んだ心をさらに重くした。
病室の統一された白色が何かを予感させていた。
蘇我紬は目を閉じ、考えないようにしたが、一歩進むごとに足に鉛を注がれたように重かった。
影山瑛志と蘇我紬は左右から影山海人を支え、影山海人の表情も幾分厳しくなっていた。
来客を見た江口お爺様は起き上がろうとしたが、より一層力が入らなくなっていた。
江口希美は目を腫らして江口天真を支えながら諭した。「お爺様、横になっていてください。お姉さんはとても良い人です。こんなことは気にしないはずです。」
「いや、希美、お爺さんを起こしてくれ。長く寝ていると辛いだろう。」江口天真は江口希美を慰めようとしたが、その様子を見た江口希美の涙はより一層溢れ出した。