410 白川蓮の条件

「白川蓮!」影山瑛志は怒鳴った。先ほどの光景を思い出すと、すぐにでも白川蓮の前に行って蘇我紬の仇を討ちたい気持ちでいっぱいだった。「警告しておくが、紬と子供に何かあったら、お前も良い目を見ないぞ!」

白川蓮は脅しなど全く恐れていなかった。今の彼女は、まるで狂人のようだった。冷笑を浮かべながら言った。「影山瑛志、彼女の子供は子供で、私の子供は違うというの?あなたたちは私の子供を殺した。なぜあなたたちの子供だけがこの世で安全に生きていられるの?私に良い結末なんてあるはずがないでしょう?本当に笑い話ね」

「でも……、どうせ良い結末はないのだから、道連れを作っても構わないでしょう?蘇我紬を……」

後の言葉を言い終える前に、影山瑛志は彼女の言葉を遮った。「白川蓮!お前は狂ったのか!いったい何をすれば気が済むんだ?」

「何をする?」白川蓮は冷ややかに鼻を鳴らした。「影山瑛志、私が欲しいのはただあなただけ。でも蘇我紬の存在が邪魔なの!あなたが私と結婚してくれれば、蘇我紬の安全は保証するわ!」

影山瑛志はその言葉を聞いて携帯電話を握りしめ、躊躇なく拒否した。「絶対に無理だ!白川蓮、俺は一生お前なんかと結婚しない」

「そう。」影山瑛志の返事は白川蓮の予想通りだった。彼女は何の気なしに笑って言った。「影山瑛志、私と賭けをしない?私からの情報なしで、蘇我紬を見つけられるかどうか賭けてみない?でもね、ここは私と私の部下以外誰も知らないのよ!でも、私の条件を受け入れてくれれば、蘇我紬を無事に返すわ。受け入れないなら、ごめんなさい、一度に三つの命を奪うことになるわね」

「よく考えてみてね。でも時間は一日だけよ。期限を過ぎたら知らないわ!」

言い終わるや否や、白川蓮は電話を切った。

影山瑛志は怒りで体が震えていた。すぐさま電話をかけた。「早乙女燐、すぐに警察に通報しろ。時間がない、二十四時間以内に必ず蘇我紬を見つけろ!」

「はい」

白川蓮は条件を受け入れろとは言ったが、警察に通報するなとは言っていない。

一日、丸二十四時間、影山瑛志は動員できる全ての力を警察の捜査に協力させ、自身も白川蓮が行きそうな場所を隈なく探した。

しかし、まだ何の手がかりもなかった。