425 埋葬

久世澪は黙って影山瑛志の後ろに立ち、瑛志の様子を見て胸が痛くなった。彼女は泣きながら瑛志を抱きしめ、声を詰まらせながら言った。「瑛志、少し休んで、何か食べてみない？あなたの体はもうとても弱っているわ。このままじゃ、鉄の体でも持たないわよ！」

「母さん、紬が埋葬されるまで見届けたいんだ。そうでないと眠れない」瑛志は静かに答え、顔も上げずに目の前の遺影を見つめ続けた。

「それと、おじいさんにはまだ黙っていてください。おじいさんは紬を可愛がっていたから、紬が亡くなったと知ったら、耐えられないと思います」

「わかったわ」

久世澪は頷き、瑛志の痩せこけた顔を見て、そして蘇我紬の棺を見て、涙が止まらなくなった。

幸せだった家庭が、人為的な災いによって引き裂かれ、この世とあの世に分かれてしまった！

四人家族でこれから幸せに暮らしていけるはずだったのに、なぜ最後にこんな結末になってしまったのか？

久世澪には理解できず、抑えきれない感情が込み上げ、涙が止めどなく流れ落ちた。

瑛志はもう泣くことすらできず、ただ呆然と蘇我紬の遺影を見つめていた。

最後に、久世澪は棺の前で泣き倒れ、病院に運ばれた。

江口希美はこれを好機と捉え、ずっと久世澪の看病を続けていた。

最後の日に、江口希美は瑛志に豪華な食事を持ってきた。

「瑛志さん、少しは自分の体のことも考えてください。このまま続けたら、命を落としてしまいますよ」江口希美は諭すように言った。

江口希美は心を痛めていた。彼女は蘇我紬がすぐに埋葬され、その隙に瑛志に近づけると思っていたが、瑛志が埋葬を止め、七日七晩もここで見守り続けるとは予想していなかった。

瑛志が極限まで憔悴している様子を見て、江口希美は今すぐにでも蘇我紬を埋葬してしまいたいと思った。

瑛志は黙ったまま、久世澪のことを尋ねた。「母さんの具合はどう？」

「心配しないで。奥様の回復は順調です。でも、あなたが…」

「大丈夫だ。持って帰ってくれ。今は食べる気分じゃない」江口希美が言い終わる前に、瑛志は遮って言った。「安心して。紬が埋葬されるまでは、倒れたりしない」