第31章：あなたは一晩中興奮していた

白川健斗は白衣を羽織り、記録帳を手に取り、部屋のドアを押し開けた。

「藤原若旦那、おはようございます。」

藤原時央の額は汗でびっしょりと濡れ、顔色は極度に青ざめていた！

「藤原若旦那！どうしたんですか？」

「頭が刺すように痛い、耳鳴りがする。」藤原時央は苦しそうに口を開いた。

「少々お待ちください、すぐに注射を打ちます。」

白川健斗は一分一秒も無駄にできず、薬液を注入し終えると、藤原時央の顔色は少し和らいだ。

「一度に三本打てないのか？」彼は尋ねた。

「無理です、心臓が持ちません！それに、この薬は頻繁に使えないんです。」

「最初の二本は効果がなく、三本目だけが効く。」

白川健斗は困惑した表情を浮かべた。

「それはありえないはずです！薬は同じものですから、最初の二本が効かなくて三本目だけが効くということはないはずです。」

「昨夜、三本目を打った後、とても楽になった。」

「もしそうなら、この痛みは間欠的なものかもしれません。今日一日様子を見ましょう。」

もし本当に間欠的なものだとしたら、この状況はさらに厄介だ。

しかし、藤原若旦那の頭痛はなかなか気が利く。

いつ痛むべきか、いつ痛まないべきかを心得ている。

少しも仕事の邪魔をしない。

藤原時央の顔色はまだひどく悪かったので、白川健斗は昨夜のことを持ち出す勇気がなかった。

ただ黙って考えるしかなかった。

お嬢さん、ほどほどにしてくださいね。

藤原若旦那はまだ正常に回復していないんですから！

でも、あの夜のデータを見ると、藤原若旦那自身も自制できなかったのだろう。口では嫌がっていても、体は正直すぎるんだから！

だから、このカメラを設置した意味は何だったのか？

「これを取り外しましょうか？」白川健斗はカメラをつついた。

「あの女はもうお前に排卵期を調べさせたのに、まだ本気で俺にあの女と一晩過ごさせたいのか？」藤原時央は冷たく尋ね返した。

「昨夜、あなたたちは……」

「何がだ？」

「同室しなかったんですか？でもあなたの脳波はずっと異常に興奮していましたよ。」

藤原時央は手を上げて後頭部に触れ、案の定、彼の脳波を検出する装置を見つけた。

彼はそれを引きちぎった。

「目が覚めたんだ、これらはもう必要ない。」

白川健斗：……