第131章:彼の部屋で寝たい

藤原時央は振り向いて、時田浅子を見た。

彼のいらだった表情を見て、時田浅子は心の中の考えを完全に打ち消した。

彼女は何を考えていたのだろう!

まさか藤原時央の部屋で寝ようなんて思っていたなんて。

彼女は知っていた、藤原時央が今住んでいる部屋には小さなソファがあることを。一晩そこで過ごすこともできるだろうが、藤原時央が同意するだろうか?

「何か用?」藤原時央は彼女が黙っているのを見て、低い声で尋ねた。

「い、いいえ、何でもないわ」時田浅子は首を振った。

藤原時央は身を翻して去っていった。

時田浅子はソファに戻り、テレビを見続けた。

今夜は、リビングでなんとか一晩過ごすことにしよう。

夜が更け、気温が徐々に下がり、時田浅子は腕を抱えて寒さに耐えていた。彼女は眠ることができず、眠気もなかった。

藤原時央がリビングに来て、ソファの隅に縮こまっている女性を見た。

時田浅子は何かを感じたように、藤原時央の方向を見た。突然現れた人影に、彼女はびっくりした!

「まだ寝ないのか?」藤原時央は尋ねた。

「まだ眠くないの、もう少しテレビを見るわ」

藤原時央はテレビを一瞥した。まだバラエティ番組が流れていたが、音はなかった。

彼女はこうして、二時間以上も見ていたのか?

それともテレビを見るのは口実で、実は一人で寝るのが怖いのか?

「急にお腹が空いた、何か作ってくれないか」藤原時央はゆっくりと口を開いた。

「何が食べたい?」

「適当に頼む」言い終わると、藤原時央は部屋に戻った。

時田浅子はキッチンに行き、冷蔵庫を開けた。冷蔵庫の中の食材は非常に豊富だったが、何を作るべきか迷った。

藤原時央はとても好き嫌いが激しい。

一杯の白いお粥にもあれこれ要求が多い。

シンプルに麺でも作ろう。

彼女は麺を一握り取り、卵を二つ、トマトを一つ、そして冷やしておいたチシャトウの千切りも取り出した。

チシャトウの千切りは数時間漬けておいたので、より味が染みていた。

30分もしないうちに、時田浅子は香り高いトマトと卵の麺を作り上げた。

ちょうどそのとき、藤原時央も出てきた。

「藤原若旦那、麺を作りました」

「ああ」

藤原時央はダイニングテーブルに向かった。