第176章:彼女は時田浅子を踏み潰したい!

「ライブ配信中に、わざと時田浅子を妨害して注目を集めようとした人がいたんだけど、思いがけないことに、時田浅子はそんな状況でもカメラに向かって堂々と対応したの!あなたを押したわけじゃないって釈明したんだけど、誰かが録画していて、その動画がネットに上がったの。それで逆に時田浅子を支持する人が増えたみたい」

「何ですって?」山田奈々は興奮して座り直し、急いで携帯を受け取った。

長い間スクロールして見ていくうちに、ますます腹が立ってきた。

特に時田浅子が自信満々に「私のどこに嫉妬することがあるの?」と言ったくだりは、

まさに鋭い刃物が彼女の心臓を刺し貫いたようだった。

そして、ネットユーザーは本当に時田浅子の言う通り、彼女のことを調べ始めていた。

掘り出されたのは、時田浅子が芸術試験で2位の成績で和芸に入学したこと、しかも美貌を持つ学業優秀者だということだった!

それだけでなく、時田浅子の声優作品も発掘された。

個別に短い動画に編集され、各プラットフォームで急速に拡散していった。

常に時田浅子のSNSアカウントを探す人がいたが、見つかったものはすべて偽物だった。

さらには話題に便乗しようと、多くの偽アカウントまで作られていた!

諦めないネットユーザーたちは調査を続け、さらに驚くべき発見をした。

この数日間ネットで話題になっているお茶会のBGMも時田浅子の声だったのだ!

山田奈々はすぐにネットユーザーの指示に従って、【打ち上げられたクジラ】というアカウントを検索した。

フォロワーはすでに300万人近くになっていた!

彼女は『天籟の饗宴』という番組で、やっと100万人以上のフォロワーを獲得したのに、それも半年もかかったのだ!

最近になって、彼女のフォロワー数はようやくまた少しずつ増え始めていた。

しかし、それでもまだ250万人ちょっとだった!

時田浅子より40万人以上も少ないのだ!

「広報は?運営は?この事態がこんなことになっているのに、早く対処しなさいよ!」

「奈々、この件はもうここまでにしておいた方がいいと思うよ。時田浅子がフォロワーを増やしたとはいえ、私たちが予想していた結果にはならなかったけど、あなたも利益を得たわけだし」マネージャーは静かに諭した。