「時田浅子、トイレに連れて行ってくれないか」藤原時央が突然口を開いた。
時田浅子はすぐに白沢陸の手から自分の手を引き抜き、藤原時央の背後に回って、彼の車椅子をトイレの方向へ押し始めた。
白沢陸:……
車椅子は自動じゃなかったのか、人が押す必要があるのか?
江川楓は藤原時央が立ち上がれるどころか、二、三歩歩けるとも言っていたじゃないか!
自慢だ!絶対に自慢しているんだ!
まさか自分がいつの日か、藤原時央の恋愛アピールを目の当たりにするとは思ってもみなかった。それも生で見せつけられるとは!
江川楓は藤原時央が離婚したいと言っていたって?
藤原時央の今の反応を見る限り、この結婚が終わるなんて死んでも信じられない!
数分後。
時田浅子と藤原時央がトイレから出てきた。
ちょうどその時、村上部長も人を連れて食事のカートを押して入ってきた。