第205章:藤原さまの皮がむずむずする

「もう閉店したのに、誰を連れて行くかなんてあなたに関係あるの?」藤原時央は質問に答えず逆に問いかけた。

「男?女?」白沢陸はさらに尋ねた。

藤原時央は答えず、代わりに江川楓に命じた。「江川、帰りなさい。」

「待って!一分だけ時間をください!」白沢陸はすぐに言った。

そして、電話から白沢陸の声が聞こえてきた。

「村上部長、休暇は取り消し、全員待機させろ。今すぐ向かう。それと、部屋を二つ用意しておけ。」

白沢陸は指示を終えると、すぐに藤原時央に報告した。「藤原若旦那、準備できました。私もすぐに到着します!必ず会いましょう!」

時田浅子:……

藤原時央は電話を切り、時田浅子を見た。

「おじいさんに電話して、今日は帰らないと伝えて。」

「はい、わかりました。」時田浅子は急いで携帯を取り出し、おじいさんに電話をかけた。

おじいさんはちょうど時田浅子のためにフルーツを準備していた。

時間を確認すると、浅子はもうすぐ帰ってくるはずだった。

「安藤さん、明日は週末だから、浅子を外に連れ出そうかな?毎日学校ばかりで、退屈だろう。」

「若奥様を劇場に連れて行くのはいかがでしょうか?」

「面白くない!浅子が帰ってきたら、行きたい場所があるか聞いてみよう。」おじいさんは再び腕時計を見た。「まだ帰ってこないな?金曜日だから、きっと渋滞しているんだろう。」

突然、おじいさんの携帯が鳴った。

安藤さんが携帯をおじいさんに渡した。「若奥様からです。」

おじいさんは一瞬で笑顔になり、電話に出た。

「浅子か、おじいさんはフルーツを全部準備したぞ。今どこにいる?」

時田浅子は突然何と言えばいいのか分からなくなり、藤原時央を見た。「おじいさん、私は藤原若旦那と一緒に食事に行くので、今晩は帰りません。」

「藤原時央があなたを食事に連れて行く?」おじいさんは死んでも信じなかった!

「浅子、彼が学校に迎えに来なくて、学校に置き去りにしたんじゃないのか?彼をかばう必要はない。今どこにいる?おじいさんがすぐに迎えに行くぞ!」

「おじいさん、本当に食事に行くんです。」

「あいつがそんな気遣いをして食事に連れて行くなら、私はウンコを食べてやる!」

藤原時央は電話を奪い取った。「食事の時に時田に写真を撮らせて送るよ。それについては……好きにしろ。」