第235章:斉藤さん、あなたが口を挟む場ではない!

「はい、偶然同じレストランで食事をしていました」藤原時央は答えた。

老人はこの言葉の意味を理解した。

つまり、藤原時央はあの斉藤若春と一緒に食事をしていたということだ!

「状況はすでに調査済みで、江川楓にも対処させました」藤原時央の声が再び響いた。

「浅子は殴られたんだぞ、見えないのか?彼女の顔の傷はあんなに明らかなのに、お前は目が見えないのか?なぜまだ彼女を仕事に行かせるんだ?」老人は怒鳴って問いただした。

彼は藤原時央の問題処理能力を疑っているわけではない。

彼が怒っているのは藤原時央の時田浅子に対する態度だ!

「お爺様、時央は時田浅子を医者に診せようとしたんですが、時田浅子が拒否して、仕事に行くと言い張ったんです。私と時央は彼女を説得しましたが、彼女はどうしても行くと言い張りました」斉藤若春は前に出て老人に説明した。

老人は斉藤若春を見つめ、鋭い眼差しで言った。「斉藤さん、ここであなたが口を挟む余地はない!」

斉藤若春の顔色が青ざめ、委縮して藤原時央の後ろに隠れた。

「祖父さん、あなたが時田浅子を心配しているのはわかります。何か腹が立つことがあれば私に向けてください。罪のない人に八つ当たりしないでください」藤原時央は冷たく応じた。

藤原時央はただ事実を述べているだけだった。

しかし、この状況でこのような言葉は、老人の耳には斉藤若春を擁護しているように聞こえた!

「さっき電話した時も、お前は病院にいたのか?」老人はまた藤原時央に尋ねた。

「はい、若春は時田浅子を守ろうとして平手打ちを食らいました。彼女は気分が優れないと言って、病院に来たんです」

「浅子も同じく平手打ちを食らったんだぞ!彼女が大丈夫だと言ったからといって、お前は知らん顔か!」老人は再び問いただした。

「彼女は病院に行きたくないし、休みたくもないと言っている。まさか、犯人を捕まえるように彼女を連れ戻せというのか?」藤原時央は冷たく反論した。

「生意気な!」老人は杖を持ち上げ、藤原時央に向かって振り下ろした。

突然、一つの影が飛び出して、藤原時央の前に立ちはだかった。

老人は時田浅子だと気づいたが、手を引くには遅すぎ、杖は時田浅子の背中に当たった。

もともと時田浅子は力がなく、さらに打たれたことで、そのまま藤原時央の腕の中に倒れ込んだ。