「後輩ちゃん!あらま、照れるわね!個室は準備できてるわ、何か必要なことがあれば、遠慮なく言ってね。ここは告白や求婚にぴったりの場所だって知ってるでしょ?必要なら、すぐに手配するわよ」
「忙しいなら行ってよ、何も必要ないから。ただ食事をしに来ただけだから」柳裕亮はその人を押しやって、立ち去らせた。
「後輩ちゃん、後でお兄さんが特製カクテルを作ってあげるからね」そう言うと、その人は時田浅子に向かってウインクしてから立ち去った。
「個室に行こう」柳裕亮は時田浅子を連れて二階へ向かった。
個室と言っても、実際は二階のテラスにあるバブルハウスで、それぞれのバブルハウスにはレースのカーテンが掛けられていて、プライバシーは十分に保たれていた。
時田浅子が中に入ると、テーブルの上に大きな赤いバラの花束が置かれているのが見えた。このバブルハウスの照明はあまり明るくなく、テーブルに置かれたキャンドルの方がむしろ明るいほどだった。