「困惑というわけではなく、ただ多くの時間と労力を費やしたのに、効果が少なすぎると感じているだけだ」藤原時央は自分の気持ちを口にした。
「時央、最高の感情とは双方向の歩み寄りよ。最初から互いに好意を持ち合うこと。あなたと時田浅子の関係は、私が見る限り明らかにそうではないわ。だからこそ、あなたはそのような感覚を持つのよ」
「双方向の歩み寄り」時央はその言葉を繰り返した。
また双方向の歩み寄りか!
彼は窓の外に目を向け、もう何も言わなかった。
斉藤若春もそれ以上何も言わなかった。
彼女は程々にするということを理解していた。
藤原時央はすでに彼と時田浅子のこのような状態に飽きているようだった。彼女には予感があった、この恋愛関係はきっと自然消滅するだろうと!
……
時田浅子と柳裕亮はレストランで食事を終えて出た。