6章:
「いいよ、手配してくれ」藤原時央はグラスを置き、ウェイターがまた酒を注ごうとしたが、彼は手を上げて止めた。
「明日はいつ時間ある?」
「今すぐでいい、明日を待つ必要はない」
「今?いいわ、すぐに手配するわ」斉藤若春は言うと、すぐに電話をかけて指示を出した。
この件は、彼女が最も望んでいた結果だった。
……
時田浅子はホテルのチェックイン手続きを済ませ、柳裕亮の方へ歩いていった。
「先輩、手続き終わりました。送ってくれてありがとう。先に上がります」
「うん、早く休んで。何かあったら、いつでも電話してくれ」
「はい」時田浅子はうなずいた。
「早く上がりなよ」柳裕亮は急かした。
時田浅子は振り返ってエレベーターに向かい、エレベーターのドアが閉まると、柳裕亮はフロントに向かって部屋を一つ取った。