第411章:世の中の情とは何ぞや、一物は一物を降す

彼女が彼に料理を取り分けてくれるのを待っていたが、彼女は動じなかった。

今度は彼がお腹いっぱいになったのに、彼女はそんなにたくさん取り分けてきた。

しかし、彼はそれでも食べ続けた。

お爺さんと大木嵐はまた驚きの表情を浮かべた。

浅子が取り分けた料理には苦瓜や、にんにくのみじん切りと豆鼓がたくさん入った煮込みかぼちゃもあった。

藤原時央はなんとそれを食べたのだ!

全部食べたのだ!

まさに「世の中の情とは何ぞや、一物降一物」という言葉通りだった。

食事の後、家族はリビングで談笑していた。

藤原時央はお爺さんに視線を向けたが、お爺さんは彼の意図を理解していないふりをして、時田浅子を藤原家の本邸に住まわせる話題を一切出さなかった。

そしてその話題を出す気配もなかった。

藤原時央の携帯が鳴り、彼は立ち上がって電話に出た。