第412章:藤原さまの読解力満点

時田浅子は心臓が締め付けられるような感覚を覚え、呼吸を忘れていた。

藤原時央も目を伏せて時田浅子を見つめた。

彼の目の下には、濃い睫毛が淡い影を落としていた。彼がまばたきをすると、時田浅子の心臓も激しく鼓動した。

「別に見たことないわけじゃないだろう。わざわざ浴室で着替える必要があるのか?」藤原時央の薄い唇が開き、磁性を帯びた声が響いた。

時田浅子は自分の服がまだきちんと着られていないことを思い出し、恥ずかしさで顔を赤らめた。

彼女は急いで藤原時央の腕から抜け出し、服を整えた。

藤原時央はゆっくりと口角を上げ、時田浅子に近づいた。

時田浅子はすぐに手を伸ばして彼の胸を押さえた。

藤原時央は一体何をするつもりなの?

「藤原若旦那、私、あの…できないわ…」

「わかっている」藤原時央は笑いながら答えた。「でも、キスはできる」