この瞬間、この雰囲気の中で、時田浅子は我を忘れていた。
彼女は全身の力を振り絞って藤原時央の腕をつかみ、やっと立っていられた。
藤原時央は彼女にキスし、絡み合うように続けた。
最後に、時田浅子は藤原時央に抱かれてベッドに戻された。
全身の力が抜け切ったように、ただ小さく息をするだけだった。
彼女はこれまで、一つのキスがこれほど命取りになるとは知らなかった。
「シャワーを浴びてくる」藤原時央は振り返り、バスルームへ向かった。
時田浅子は布団を引き寄せ、体を丸めた。
全身がまるで蟻に噛まれているような感覚だった。
さっきバスルームで藤原時央に抱かれていた時、汗をかいたが、今はすっかり乾いて、むしろ寒さを感じていた。
どんな季節でも、生理中の数日間は、彼女の体はいつも冷え切っていた。