第409章:藤原さまの様々な難病を治す特効薬

どうやら、時田浅子は決心したようだ。母親と一緒に借りた家に住むつもりらしい。

時田浅子は大木嵐を一瞥した。彼女の心は少し緊張していた。大木嵐が突然口を開いて、彼女の計画を台無しにするのではないかと恐れていた。

彼女は本当に、自分のコントロールを超えるようなことが起こってほしくなかった。

「おばさん、母のお世話をしていただき、本当にありがとうございます。母もよく言っていました。回復したら、必ずきちんとお礼をしたいって」時田浅子は大木嵐が何も言わないのを見て、さらに一言付け加えた。

時田浅子がここまで言うと、大木嵐もさすがに口を開くことができなかった。

この子は今、藤原家との関係を断ち切ろうと必死になっている。

大木嵐は藤原家に貼りつこうとする、まるで絆創膏のような人々を数え切れないほど見てきたが、時田浅子のように藤原家を避けようとする人は初めて見た。

この少女は、彼女の想像以上に強かった!

大木嵐の時田浅子への好感度はさらに上がった。

夕食の準備ができ、家族がテーブルを囲んだ。全部で十数品あり、そのうち五、六品は魚料理だった。

時田浅子も腕を振るって、煮魚を作った。

「一番柔らかい頬肉はおじいさまのです!」時田浅子は魚の頬肉を箸で取り、老人の茶碗に置いた。

「お腹の肉はおばさんのです。下の脂っこい部分は取り除きました」時田浅子はさらに大木嵐にも一切れ取り分けた。

「ありがとう、浅子」大木嵐は笑顔でお礼を言った。

時田浅子が座るとすぐに、藤原時央からの視線を感じた。

まるで彼女が料理を取り分けてくれるのを待っているかのようだった。

時田浅子は頭を下げて藤原時央の視線を避け、箸を取ってご飯を一口すくった。

藤原時央の表情はたちまち暗くなった。彼女の心の中で自分は何の地位も持っていないようだ。

「これは浅子の腕前なんだね、僕も味わってみたい!」白沢陸は茶碗を持って魚を取ろうとした。

藤原時央は突然、白沢陸の箸を遮り、魚の皿全体を自分の前に引き寄せた。

大木嵐と老人は驚いた。

藤原時央は淡水魚を食べないのではなかったか?

幼い頃から、池で育った魚は一度も食べたことがなかった。

藤原時央は箸を取り、一切れの魚を口に入れた。魚は少しも生臭くなく、むしろ甘みさえあった。

煮汁と合わせて、彼の口に合っていた。