第420章:その人は、永遠にあなたではありえない

藤原時央は斉藤若春の話を遮ることもなく、何の反応も示さなかった。

この静かな態度に、斉藤若春の心は激しく痛んだ。

彼は少しの驚きも見せないのだろうか?

「時央、一つ質問があるんだけど、もしあなたが事故で3年以上昏睡状態にならなかったら、もし時田浅子と出会わなかったら、私と一緒になってくれたかしら?」斉藤若春は慎重に尋ねた。

「若春、君は私が初めて接した異性で、君との時間はとても心地よかった。事故の前、あの海辺での休暇の時、確かに君と結婚することを考えたことがある」藤原時央の口調は、まるで仕事の話をしているようだった。

しかし、これらの言葉は、斉藤若春の耳に入ると、彼女の心に大きな波を起こした!

なんと、藤原時央はあんなに早い段階で、彼女との結婚を考えていたのか?

「時央、いつかあなたは誰があなたに一番合っているか気づくわ。私たちの5年間の付き合いで、あなたが私に無関心でいられるはずがないって知ってたの」斉藤若春は嬉しくてたまらなかった。