「よくやった、さすがはパパラッチだな。これらの写真を全部私によこしなさい、報酬はたっぷりあげるわ」
「ありがとうございます、斉藤社長」
斉藤若春は幼い頃から非常に複雑な環境で育ち、日々の駆け引きや策略に囲まれて育ったため、狡猾さはすでに彼女の天性となっていた。
彼女は時田浅子を全く眼中に入れていなかった。時田浅子というピュアな白い花は、彼女の手の中では、ひとたまりもないのだ!
以前は、それは彼女の一方的な思い込みだと思っていた。
今日、藤原時央の口からこれらの言葉を聞けたことで、彼女はより一層確信した。どんな代償を払っても、時田浅子という障害を取り除かなければならないと。
……
藤原時央は車を運転してサンライト団地に到着した。
15階の明かりがまだついているのを見つけたが、時田浅子が実際に寝ているかどうかは確認できなかった。
彼女は一人でいるとき、寝ていても明かりをつけたままかもしれない。
彼は携帯を取り出し、まず時田浅子にメッセージを送った。
時田浅子はすでに横になっていたが、まだ深く眠っていなかったので、携帯が鳴ると目を覚ました。
藤原時央からのメッセージを見ると、彼女が寝ているかどうか、寝ていなければ今から行くと尋ねていた。
彼女の気持ちは複雑だった。
見なかったふりをしようか?
藤原時央がわざわざ彼女の建物の下まで来てからメッセージを送るはずがない。
彼女が返信しなければ、彼は彼女が寝ていると思って、来ないだろう。
起こされた時田浅子はトイレに行き、戻ってきたとき、寝室の窓が少し開いていて、カーテンが風で開いているのに気づいた。
藤原時央は時田浅子からの返信を待っていたが、彼女はすでに寝ていると思った。
立ち去るべきか迷っていたとき、突然15階の寝室の窓に人影が現れた。
時田浅子が出窓に膝をついて窓を閉め、ついでにカーテンも引いた。
この光景を見て、彼は怒りと笑いが込み上げてきた。
彼女は彼のメッセージを見ていないのか?それとも故意に返信しないのか?
彼は大股で団地の入り口へ向かった。
時田浅子は窓を閉め、ベッドに横になり、アラームを確認してから目を閉じた。
突然、携帯が鳴り出した。
着信表示を見ると、藤原時央からだった。