第450章:彼の傲慢さを見よ

斉藤若春は窓辺に立ち、下の二つの人影を見つめながら、目に一筋の恨みを浮かべた!

「斉藤さん、退院手続きをされますか?」看護師が入ってきて尋ねた。

「はい」

「もう一日様子を見てから退院されたほうがよろしいのでは?」

「結構です。すぐに退院手続きをお願いします」斉藤若春は強く言い張った。先ほどまでの弱々しい様子はどこにもなかった。

藤原時央がすでに来たのだから、彼女がここにいる意味はもうない。

SNSに投稿してから自殺未遂まで、このゲームはまだ始まったばかり。

「水滴石を穿つ」という言葉があるではないか。

彼女は信じなかった、藤原時央の心が石よりも硬いなんて!

……

時田浅子と藤原時央は藤原家の本邸に戻った。

老人は居間に座り、表情はあまり良くなかった。

「せっかくの週末に私と過ごすと思ったのに、また浅子をどこかに連れ出したのか?」