第448章:斉藤若春は自殺した

「だから、私と一緒に来てほしい」藤原時央は再び言った。

時田浅子が車に座った時、彼女はまだ、なぜ藤原時央と一緒に斉藤若春に会いに行くことに同意したのか理解できていなかった。

斉藤若春がしたこと全ては、藤原時央を手に入れるためだった。

彼女にはどんな立場があって藤原時央に付き添うのだろう?

事実の真相を、彼女は本当に気にしているのだろうか?

なぜ藤原時央と斉藤若春が一緒にいるのをあんなに親密に見ると、彼女の心はあんなにも不快になるのだろう?

これらの疑問が、彼女の心を少し慌てさせた。

藤原家の本邸を出てまもなく、藤原時央は斉藤若春に電話をかけた。

電話はしばらく鳴り続け、ようやく誰かが出た。

「もしもし、斉藤さんをお探しですか?」見知らぬ声が電話から聞こえてきた。

「はい」藤原時央はうなずいた。