第472章:義母からの重い愛

彼女はパジャマのズボンを手に持ったまま、そこで手が固まった。比べるのも、比べないのもどうしたらいいのか分からなかった。

藤原時央は突然彼女の後頭部を抱き寄せた。

時田浅子は全く予想していなかったため、彼の胸にぶつかってしまった。

鼻が痛くなり、涙まで出てきた。

藤原時央のこの混蛋!

彼は本当にいつでもそのことばかり考えている!

「汗をかいたから、シャワーを浴びてくるわ」彼女は逃げ出したかった。

ただ、藤原時央が彼女に逃げる機会をくれるかどうかは分からなかった。

「いいよ、シャワーを浴びたら、ついでに私のスーツを持ってきてくれ」

時田浅子は一瞬固まった後、急いで自分のパジャマを持って部屋を出た。

本当に予想外だった。藤原時央が今日はこんなに話が通じるなんて。

時田浅子は外に出ると、キッチンで何かが煮られているのに気づいた。

「お母さん、何を煮ているの?」時田浅子は時田秋染に尋ねた。

「気にしなくていいわ、もうすぐできるから」時田秋染はキッチンから出てきた。「どうして出てきたの?」

時田浅子は言葉に詰まった。

時田秋染は時田浅子の手にあるパジャマを見て、すぐに理解した。「お風呂に入るのね?早く行ってらっしゃい」

時田浅子は洗面所へ向かった。

彼女は今日、いつもより長くお風呂に入り、1時間経ってようやく出てきた。

そして、ドライヤーも使わず、リビングのソファに座った。

時田秋染は時田浅子を見て、「どうして髪を乾かさないの?」と聞いた。

「大丈夫よ、自然に乾くのを待つわ」

「あなたの髪はそんなに多いのに、自然に乾くのを待ったら、いつになるか分からないわよ」

「別に眠くないし、それに今はまだ早いわ」時田浅子はテーブルの上の洗った果物を一口かじった。

しばらくして、時田秋染は時田浅子がまだ部屋に戻る気配がなく、むしろテレビドラマを夢中で見ているのを見て、

リモコンを取ってテレビを消した。

「お母さん、どうして見ないの?」

「ちょっと疲れたわ。それに、こんなに長く見ていると目が疲れるから、明日の昼間に時間があるときに再放送を見るわ」

時田浅子は携帯を手に取り、ソファに寄りかかって遊び始めた。

時田秋染は立ち上がってキッチンへ向かった。

「浅子、時央を呼んできて、スープを飲みに来てもらって」