この三文字は時田浅子と藤原時央の耳に入ると、まったく異なる感覚をもたらした。
時田浅子は驚きと信じられない表情を浮かべていた。
藤原時央は満面の笑みを浮かべていた。
彼は手を上げて、時田浅子の肩を抱き、「部屋に戻ろう」と言った。
「私もお母さんとテレビドラマを見たいの。私もそのドラマが好きなの」と時田浅子はテレビを指さした。
藤原時央は何も言わず、彼女を抱き上げて大股で部屋へ向かった。
「さすが若い人ね」と時田秋染は思わず言った。
時田浅子は藤原時央に部屋まで抱えられ、顔は血が滴るほど赤くなっていた。
彼女の部屋はさらに小さく、ベッド一つ、小さな衣装ケース一つ、それにパソコンデスク一つ、それ以外はほとんどスペースがなかった。
一人暮らしだったので、小さいとは感じていなかった。
藤原時央の大きな体がここに立つと、この部屋が非常に狭く感じられた。
藤原時央は彼女をベッドに置くと、身を乗り出して近づいた。
「私、油と煙の匂いがついてるし、まだお風呂に入ってないわ」と時田浅子は手を上げて彼を遠ざけようとした。
藤原時央は突然彼女の髪に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。
「それでもいい香りがする」
時田浅子は徐々に彼の重みに耐えられなくなり、完全に彼の下敷きになった。
藤原時央は手を伸ばして彼女の美しい髪を指先で絡ませた。
「浅子、スリッパの他に、何か買ってくれたの?」と藤原時央は優しく尋ねた。
時田浅子は少し驚いた。藤原時央はどうやって彼女が他のものも買ったことを知ったのだろう?
彼女の表情を見て、藤原時央は自分の推測が当たっていることを悟った。
時田浅子はパジャマも買っていた。
彼女は藤原時央が来るのを止められなかったが、前回のようにバスタオル一枚だけというわけにはいかなかった。
「出して見せてよ」と藤原時央は彼女の耳元で誘うように言った。
「あなたが起きないと、どうやって取りに行けるの?」
藤原時央はようやく体をどけて横に転がった。
ベッドが小さすぎて、彼はもう少しで床に落ちるところだった。
時田浅子は引き出しを開け、パジャマ一式と下着を取り出した。
藤原時央はそれらを見て、満面の笑みを浮かべた。
スリッパ一足、パジャマ一式、彼にとっては最大のサプライズだった。