第486章:私は自制した

「浅子、足はまだ痛いの?」彼は時田浅子に尋ねた。

「痛いわ」時田浅子は今回は隠さなかった。

「もう少し我慢できる?」藤原時央はさらに尋ねた。

時田浅子:?

「無理なら、私の肩に乗せてもいいよ」

時田浅子:!!!

……

30分後、時田浅子は抱えられて戻ってきた。

藤原時央は彼女をソファに置き、家に備えてある救急箱を取り出した。

「白川健斗に来てもらおうか?」

「必要ないわ、箱の中に腫れと痛みを和らげる薬があるから、それを塗るだけでいいわ」時田浅子は首を振った。

藤原時央は薬を取り出し、説明書を確認した。

この薬は確かに効果がある。

彼は薬の蓋を開け、時田浅子の膝に塗り、全体に広げた。

「明日よくならなかったら、白川に診てもらおう」

時田浅子は手で仰ぎながら言った、薬は少し熱く刺激があった。「実は、そんなにひどくぶつけたわけじゃないの。あなたが私の足を動かさなければ、明日には絶対良くなるわ」

藤原時央は思わず笑った。「さっきは抑えていたよ」

「抑えてなかったわ!」時田浅子は彼を見て抗議した。

「たった30分だよ、どうして抑えていなかったと言えるんだ?」

時田浅子:……

……

『天籟の饗宴』はまだ第1回が放送されたばかりだった。

たった一晩で、時田浅子はフォロワーを数十万人も失った。

この結果に、金恵はとても満足していた。

「長谷監督から聞いたんだが、森山緑は契約解除を望んでいて、時田浅子に収録を続けさせたくないらしい」佐木晴樹はタバコを消し、得意げな笑みを浮かべた。

「森山緑が契約解除を望んでいるなら、時田浅子はどんな態度なんだ?」

「時田浅子は身寄りがなく、森山緑のような経営者に出会って、自分の意見なんて持てるはずがない。もちろん森山緑が何をさせようと、彼女はそれに従うだけさ」佐木晴樹はソファに寄りかかり、足を組んだ。

「森山緑はまだ自分がどれだけ能力があると思っているんだろうな。以前は港町の寺田家を頼りにしていたが、内地に入ってからは、こんな名も知られていない小さな会社に行ったんだ。後ろ盾がなくなって、まだ芸能界で思い通りにできると思っているのか!」

「もし時田浅子が本当に契約解除するなら、違約金を負担しなければならないんじゃないか?」