時田浅子の心は彼の接近によって、絶えず加速し、呼吸すらできなくなり、窒息しそうだった。
藤原時央は時田浅子がスポーツウェア姿であることに気づき、彼女と森山緑はお酒を飲みに来る約束をしていたわけではなく、思いつきで来たのだろうと推測した。
今日は彼女の番組が放送されたのではないか?
彼女はサンライト団地に残って、母親と一緒に番組を見ると言っていたのに、どうして出かけてきたのだろう?
「君が森山緑とこんな場所に来るなんて」藤原時央が突然口を開いた。
時田浅子は眉間にしわを寄せた。「あなただってここにいるじゃない?」
藤原時央:……
「女の子はこういう場所に出入りするべきじゃない。これからは、私と一緒でない限り、こういう場所には来ないで、わかった?」
「森山緑はよく来てるし、中には女の子もたくさんいるわ。もう2022年なのに、女の子が酒場に来てお酒を飲むのがどうしたの?」時田浅子は反論した。