藤原時央は声を出さず、表情もあまり良くなかった。
白沢陸はこれ以上何も言えず、うつむいて食事を続けた。
藤原若旦那のこの挫折した表情は本当に食欲をそそるね!
……
帝都の高級マンションの一室。
金恵はお風呂に浸かっていた。突然、バスルームのドアが開き、佐木晴樹が何の遠慮もなく入ってきた。
「今さっき連絡を受けたんだが、また君の出演作品を一つ確保した。桜井天音との共演だ。主役ではないが、大きなIPものだ。君が演じる役はとても人気が出るだろう。うまく演じれば、同じように有名になれる」
金恵は内心喜んだ。この仕事は彼女にとって、確かに悪くなかった。
「この仕事は、本来なら絶対に君のところには回ってこなかったはずだ。今、君に与えられたんだ、わかるだろう?」
「わかります、もちろんわかります!晴樹兄さんのご指導に感謝します!必ず晴樹兄さんに恩返しします!」金恵は佐木晴樹に手を伸ばし、色っぽい表情で言った。「晴樹兄さん、ちょっと手を貸してくれませんか?長く浸かりすぎて、もう立てないんです」