藤原時央はしばらく待ったが、鈴木真弦がまだ入ってこないので、立ち上がって外に向かった。すると、鈴木真弦がコピー機の前でスマホをいじっているのが見えた。
彼は眉をひそめ、歩み寄った。
スマホから時田浅子の声が聞こえてきた。
「社長!」鈴木真弦も藤原時央に気づき、すぐに声をかけた。
「何を見ているんだ?」
「ライブ配信です!奥様の配信です。」
藤原時央が手を伸ばすと、鈴木真弦はすぐにスマホを渡した。
確かに時田浅子だった。
彼は時田浅子がライブ配信をすることを知らなかった。
鈴木真弦は明らかに社長の表情が険しくなったのを感じ、急いで資料をまとめて脇に立った。
藤原時央はしばらく見てからスマホの電源を切り、オフィスに戻った。
鈴木真弦はすぐに後に続き、資料を藤原時央の前に置いた。