第495章:藤原さまの派手な行動

藤原時央はしばらく待ったが、鈴木真弦がまだ入ってこないので、立ち上がって外に向かった。すると、鈴木真弦がコピー機の前でスマホをいじっているのが見えた。

彼は眉をひそめ、歩み寄った。

スマホから時田浅子の声が聞こえてきた。

「社長!」鈴木真弦も藤原時央に気づき、すぐに声をかけた。

「何を見ているんだ?」

「ライブ配信です!奥様の配信です。」

藤原時央が手を伸ばすと、鈴木真弦はすぐにスマホを渡した。

確かに時田浅子だった。

彼は時田浅子がライブ配信をすることを知らなかった。

鈴木真弦は明らかに社長の表情が険しくなったのを感じ、急いで資料をまとめて脇に立った。

藤原時央はしばらく見てからスマホの電源を切り、オフィスに戻った。

鈴木真弦はすぐに後に続き、資料を藤原時央の前に置いた。

藤原時央は資料を見もせず、スマホを開いた。

突然、そのショート動画アプリを持っていないことに気づき、ダウンロードした。そして開くと、すぐに時田浅子の配信が表示された。

「このショート動画プラットフォームは白沢陸のものじゃないか?」

「はい、社長。白沢三様は最初は遊びでやっていたんですが、思いがけず一気に人気が出ました!今では9億人以上のユーザーがいます!」鈴木真弦は急いで答えた。

藤原時央は画面いっぱいの花やギフトを見ながら、ページを開く方法を探った。

花のアイコンをタップすると、アカウントのコインが不足しているという通知が表示された。

「社長、ギフトを送るには先にチャージが必要です。」鈴木真弦はすぐに説明した。

藤原時央はギフト欄を見て、99999本のバラを確認した。

「社長、この99999本のバラは特別なロマンチックなエフェクトを起動させます。配信ルームでは1分間、花びらの雨が降ります。」

「派手すぎる。」藤原時央はそう言って、スマホを裏返しに机に置いた。「資料はそこに置いて、出ていいぞ。」

「はい。」鈴木真弦はすぐに退出した。

時田浅子は視聴者がこんなに熱心だとは思わず、何度もお礼を言った。

「みなさん、ギフトをありがとうございます。今日の配信は、ファンの皆さんへの感謝の気持ちを伝えるためです。応援してくださって本当にありがとうございます。」

コメント欄は素早くスクロールしていた。