第496章:止まらない

時田浅子は画面いっぱいのバラの花びらを見て、数秒間呆然としていた。

このギフトを送ったユーザーのニックネームをよく見ると、なんと【】というシンボルだけだった。

もしかして、ニックネームがないのだろうか?

時田浅子は彼女の音声を常に購入しているスポンサーのことを思い出した。

彼かもしれない?

このバラの花束は999元もするようだ!

「このバラの花を送ってくださったユーザーの方、そして皆さんからのすべてのギフトに心から感謝します」時田浅子は画面に向かって皆にお礼を言った。

その後、時田浅子はあの日番組に参加した時のセリフを一通り読み上げた。

画面上ではバラの花の雨がまだ降り続けていたが、他のギフトは見えなくなっていた。それは、配信を見ているユーザーたちが皆、真剣に時田浅子の声に聞き入っていたからだ。

没入感があまりにも強かった。

目を閉じると、頭の中は映像感でいっぱいになる。

時田浅子の声が消えてから3秒後、画面は再び賑やかになった。

【私の耳が妊娠した!】

【あああああああああ、私はプレーリードッグだ!】

【お姉さんの声質は本当に素晴らしい!】

【今イヤホンを探しに行ってたんだけど、もう終わったの?これで終わり?何を見逃したんだ!】

【誰がバラの花を送ったんだ?エフェクトの時間が過ぎてるのに、まだ花の雨が降ってる?私たちのギフトエフェクトが表示されないよ!】

【上の人、もしかしたらこの太っ腹な人は一束だけじゃなく送ったのかも?】

この時、誰かがファンランキングを開いた。【】というニックネームのユーザーはすでにトップになっていたが、彼のプロフィールを開くと、フォローが一つだけで、アイコンや自己紹介は何もなかった。

唯一のフォローは、時田浅子だった。

時田浅子はライブ配信中だったので、そのスポンサーに連絡してバラの花を送ったのが彼かどうか確認することができなかった。

彼女が配信している間、そのバラの花の雨は一秒も止まることなく降り続けていた。

時田浅子はギフト機能をオフにするしかなかった。

しかし、バックエンドからはオフにできないという通知が来た!

彼女は困惑して森山緑を見た。

森山緑は彼女にジェスチャーで合図し、急いで状況を確認しに行った。なぜオフにできないのか調べるためだ。

時田浅子は配信を続けた。