第497章:数千万の出費、名前すら残せない

森山緑は時田浅子の携帯電話に「金主(スポンサー)」というニックネームが登録されているのを見つけ、驚いて口を大きく開けた!

スポンサー?藤原社長よりもさらに金持ちの人?

時田浅子はメッセージを送った。

打ち上げられたクジラ:【こんにちは、配信ルームのギフトはあなたが送ったものですか?】

藤原時央の携帯画面が一瞬光った。

鈴木真弦が状況を報告している最中、その携帯を一瞥した。これは藤原社長の仕事用の携帯なのに、こんな遅い時間に誰が社長の邪魔をするのだろう。

藤原時央は手を少し上げて、鈴木真弦に黙るよう合図し、携帯を手に取ってそのメッセージを開いた。

メッセージを見て、彼の唇の端がわずかに上がり、返信を送った。

金主:【気に入った?】

時田浅子はこの返信を見て、今や確信した。彼に違いない!

打ち上げられたクジラ:【いくら送ったの?】

金主:【わからない】

時田浅子:……

打ち上げられたクジラ:【配信終わったけど、まだ表示されていないギフトはプラットフォームと相談して返金できるから、スタッフに連絡して残りのお金を返してもらったら?】

金主:【スタッフからすでに連絡があったよ。残りのギフトは次回の配信で特殊効果と一緒に表示されるそうだ】

打ち上げられたクジラ:【次いつ配信するかわからないのに、お金の無駄じゃない?】

金主:【君へのものだから、無駄なはずがないだろう?】

時田浅子:……

打ち上げられたクジラ:【ありがとう】

時田浅子が電話を置くと、森山緑はすぐに好奇心いっぱいの顔で彼女を見つめた。

「確認できた?このギフトはこのスポンサーからのもの?」

「そうよ」

「やっぱりね、こんなに美しい女の子に恋の花が咲かないわけないじゃない!」

時田浅子は疑問の表情で森山緑を見た。

どうして彼女に恋の花が咲いたと言うと、森山緑はあんなに嬉しそうに笑うのに、斉藤若春が藤原時央の恋の相手だと言うと、それは「悪い縁」だと言うのだろう。

「疑わなくていいわ、私は完全にダブルスタンダードよ」と森山緑は率直に認めた。

時田浅子:彼女は言葉を失った。

「これを藤原社長が知ったら、嫉妬で大変なことになるわね!」

「まずはネット上の反応を見てみましょう」時田浅子は藤原時央の話題を避け、話を変えた。

森山緑はすぐにウェブページを開いた。