時田浅子は歩いてキッチンへ向かった。
「起きたか?」藤原時央は振り返って彼女を見た。
「うん、何を作ってるの?」時田浅子は鍋の中を覗き込んだ。
「シーフードのお粥だ。ほら、味見してみて」藤原時央は小さめの器に半分ほど盛り、直接彼女の口元まで運んだ。
「うん、美味しい」
「テーブルで待っていて、すぐに朝食にするから」藤原時央は愛情を込めて時田浅子の頬をつまんだ。
「まだ顔も洗ってないし歯も磨いてないよ!今行ってくる」時田浅子は部屋へ走っていった。
藤原時央は笑みを浮かべて時田浅子の後ろ姿を見つめていた。
時田浅子がダイニングに戻ると、テーブルにはすでにイカのパンケーキ、茹でた青菜、そして二杯のお粥が並んでいた。
イカのパンケーキは両面が黄金色に焼かれ、とても美しかった。