第557章:藤原時央の女、買い物に考慮は不要

今日から、彼は時田浅子と普通の夫婦のように、良い日々を過ごしたいと思った。

「これで十分よ。私たちはあまり家にいないし、長く置いておくと無駄になるわ」時田浅子は、これらの食品は彼女たちが長い間食べるのに十分だと感じていた。

「私が言いたいのは、他のものは買わないのかということだ。君のパソコンはかなり使い込んでいるようだから、新しいのを買おう。勉強にも仕事にも使えるだろう」

「私のこれはまだ使えるから、買う必要はないわ」時田浅子はすぐに断った。

藤原時央はすでに時田浅子の手を引いて、電化製品コーナーへ向かっていた。

彼女はお互いを尊重することを好んでいたが、藤原時央は彼女の求める尊重があまりにも冷たく疎遠に感じられた。彼はそのような尊重を望んでいなかった。

「これはどうだ?」藤原時央は店内で最も高価なパソコンを指さして時田浅子に尋ねた。

「本当にパソコンを買い替える必要はないの…」

藤原時央は彼女のスマホを直接取り、QRコードをスキャンして買い物カートに追加した。

そして時田浅子の手を引いて、さらに買い物を続けた。

一時間以上の間に、時田浅子は藤原時央が何回コードをスキャンし、どれだけのものを買ったのか分からなくなった。

しかも、彼が何を買おうとしても、彼女が断る機会を与えないほど強引だった。

彼らは水族コーナーに来た。壁一面の小さな水槽には、色とりどりの熱帯魚が入っており、とても可愛らしく見えた。

藤原時央は時田浅子の視線の先を見て、彼女の手を引いてそちらへ向かった。

「水槽を買おうか。家に置けば景観も良くなるだろう」藤原時央は大きな水槽の方へ歩いていった。

時田浅子はすぐに彼を引き戻した。「時央、こっちを見て」

藤原時央は一瞬驚いたが、すぐに時田浅子についていった。

このショッピングモールに入ってから、ずっと彼が時田浅子を引っ張り回していたが、これが初めて、彼女が彼の手を引いた。

どうやら、彼女は本当にこれらの小さな魚に魅了されたようだ。

時田浅子は小さな水槽の前に来た。この水槽は長さが50センチほどの小さなものだったが、景観が作られており、小さな生態系を形成していた。