第610章:視線、狼のように虎のように

「この研究は現在何の突破口も得られていません。研究を続けるかどうかも不明です。この研究と藤原時央と時田浅子が一緒にいることとどんな関係があるのですか?」宮本凪はどうしてもこの件が理解できなかった。

「適切な時が来たら、本当の状況を教えるわ」斉藤若春はまだ謎めかしていた。彼女はこうして宮本凪を引っ張っておきたかったのだ。

適切なタイミングが来たら行動に出る。

今は、林清子という爆弾があるので、時田浅子を排除できるかもしれない。一石二鳥だ!

宮本凪はまだ諦めきれなかったが、どこから突破口を見つけようとしても、斉藤若春はもう一言も漏らさなかった。

「宮本凪、今あなたに教えないのは、時田浅子のためでもあるの」斉藤若春は宮本凪のしつこさに耐えられず、時田浅子を持ち出した。