藤原時央は突然頭を下げ、時田浅子のスプーンを口に含み、そのスイーツを一口食べた。
斉藤若春はその場で固まった。
ありえない!
これは絶対にありえない。
藤原時央はあんなに食べ物に好き嫌いが激しいのに、どうしてこんな甘ったるいものを食べられるの!
これには、生クリームがたっぷりかかっているのよ!
藤原時央が一番嫌いなのはこういうものだったはず。
時田浅子は振り返り、斉藤若春を見つめた。
彼女は否定しない、斉藤若春のあの信じられないという表情を見たとき、心の中で本当に少し気分が良かった!
彼女は斉藤若春に何もできないけれど、彼女と藤原時央が親しくするだけで、斉藤若春を殺すよりも辛いはずだ!
「斉藤さん、どうして時央がスイーツを食べないと知っているの?彼はとても好きなのよ、そうでしょう、時央?」時田浅子は振り返って藤原時央を見つめ、甘い笑顔を向けた。