第612章:藤原さまが道具にされる

藤原時央は突然頭を下げ、時田浅子のスプーンを口に含み、そのスイーツを一口食べた。

斉藤若春はその場で固まった。

ありえない!

これは絶対にありえない。

藤原時央はあんなに食べ物に好き嫌いが激しいのに、どうしてこんな甘ったるいものを食べられるの!

これには、生クリームがたっぷりかかっているのよ!

藤原時央が一番嫌いなのはこういうものだったはず。

時田浅子は振り返り、斉藤若春を見つめた。

彼女は否定しない、斉藤若春のあの信じられないという表情を見たとき、心の中で本当に少し気分が良かった!

彼女は斉藤若春に何もできないけれど、彼女と藤原時央が親しくするだけで、斉藤若春を殺すよりも辛いはずだ!

「斉藤さん、どうして時央がスイーツを食べないと知っているの?彼はとても好きなのよ、そうでしょう、時央?」時田浅子は振り返って藤原時央を見つめ、甘い笑顔を向けた。