黒いシャツの下には、白く引き締まった胸板があった。
同じことでも、別の人だったら、その光景はきっと目に痛く、とても下品に見えるだろう。
しかし、ここに立っているのは藤原時央だ。
まるで芸術品のように完璧だった。
時田浅子は思わず唾を飲み込んだ。
「魚に餌をあげてくる!」彼女は突然立ち上がり、水槽の方向へ走っていった。
藤原時央は彼女を追いかけず、笑いながらソファに座った。
時田浅子は魚の餌を少し水槽に入れ、次に霧吹きを手に取った。「少し水を汲んできて、この植物たちに水をあげるわ」
藤原時央は彼女を止めず、彼女が彼の前で忙しそうに動き回る姿を見ていた。
気づかないうちに、30分が過ぎていた。
彼が時田浅子が雑巾を取り出し、家中の棚を全部拭こうとしているのを見たとき、彼はついに我慢できなくなり、立ち上がって時田浅子の手を引いた。