藤原時央は携帯を取り出すと、すぐに彼女たちの先ほどの会話が流れ始めた。
「録音までしたの!」時田浅子は非難するような顔で藤原時央を見た。
「録音しておかないと、あなたが認めなかったらどうするの?これが証拠だよ」
時田浅子の顔は真っ赤になったが、反論する術がなかった。
彼女の卒業まであと2年もある。
2年後のことなど、誰にわかるだろうか!
2年後、藤原時央がまだ彼女と一緒にいたいと思うかどうかさえ分からないのだ。
時田浅子はもう彼と議論せず、食事を続けた。
彼女と藤原時央の関係の行方は、もはや彼女がコントロールできるものではなかった。
泥沼にはまって必死にもがくよりも、自分の心に素直になって今を大切に生きる方がいい。
彼女は自分の心を守り、迷わないようにしさえすれば、いつか彼が彼女を必要としなくなった時、傷つくことなくさっと立ち去ることができるだろう。