藤原時央は携帯を取り出すと、すぐに彼女たちの先ほどの会話が流れ始めた。
「録音までしたの!」時田浅子は非難するような顔で藤原時央を見た。
「録音しておかないと、あなたが認めなかったらどうするの?これが証拠だよ」
時田浅子の顔は真っ赤になったが、反論する術がなかった。
彼女の卒業まであと2年もある。
2年後のことなど、誰にわかるだろうか!
2年後、藤原時央がまだ彼女と一緒にいたいと思うかどうかさえ分からないのだ。
時田浅子はもう彼と議論せず、食事を続けた。
彼女と藤原時央の関係の行方は、もはや彼女がコントロールできるものではなかった。
泥沼にはまって必死にもがくよりも、自分の心に素直になって今を大切に生きる方がいい。
彼女は自分の心を守り、迷わないようにしさえすれば、いつか彼が彼女を必要としなくなった時、傷つくことなくさっと立ち去ることができるだろう。
食事が終わると、時田浅子は片付けようとした。
藤原時央は彼女の手を引いて、キッチンのドアの外に立たせた。
「さっきお母さんが言ってたよ、食事が終わったら本題に入るようにって」
時田浅子はびっくりした。「何の本題?復縁のこと?」
「僕と復縁したいの?」藤原時央は直接尋ねた。
時田浅子は直接答えなかったが、彼女の表情がすでに藤原時央に答えを与えていた。
突然、体が軽くなり、藤原時央に抱き上げられた。
「僕が言った本題は復縁のことじゃないよ」藤原時央は時田浅子を抱えて寝室へ向かった。
1時間後、時田浅子はふわふわとした感覚で藤原時央の隣に寄り添っていた。
「あなたは本当にお母さんを説得できるの?彼女は外見は柔らかいけど内面は強い人だから、一度決めたことにはとても頑固で、簡単には考えを変えないわ」時田浅子は自分の母親の性格をよく知っていたので、今回の母親の態度が冗談ではないことがわかっていた。
「後で、僕一人で病院に行くよ。僕からの良い知らせを待っていて」
「私は行かなくていいの?」時田浅子は驚いた顔で顔を上げた。
「行きたい?」
「いや、いいわ、私はここで待ってるから、良い知らせを期待してるわ」時田浅子はすぐに首を振った。
彼女は銃口に向かって突進するほど愚かではなかった。
30分後、藤原時央は一人で病院へ向かった。