第625章:天より地より嫁が一番大事

今や、彼女も知ってしまった。

離婚していなくて良かった!

時田秋染は娘が可哀想だとは少しも思わず、むしろ少し笑いたくなり、浅子が離婚証明書が偽物だと知った時の反応を期待していた。

「お母さん、私は意図的に浅子を欺くつもりはなかったんです。彼女は私を完全に信頼できないから、この機会に彼女に時間を与えて、本当に私を信頼し、心から私と一緒にいたいと思ってもらいたいんです。」

「これは欺くことではないわ、お母さんは応援するわよ!時央、あなたの気持ちはわかっているわ。この件については、お母さんも引き続き秘密にしておくわね。」

「ありがとう、お母さん。」藤原時央は静かに感謝の言葉を述べた。

「今は、あなたたちの復縁について心配する必要はなくなったけど、もう一つ気がかりなことがあるわ。」

「何ですか?」

「子供のことよ!あなたたちも急いだ方がいいわ。お母さんのこの体、いつまで持つかわからないから。」時田秋染は言い終わると、また溜息をついた。

「浅子は卒業したら子供を持つと約束してくれました。」

「本当に?彼女が直接約束したの?」時田秋染は信じられないという様子だった。

「はい、でも、いつでも気が変わるかもしれません。もし約束を破ったら、お母さんに浅子と話し合ってもらわないといけないかもしれません。」

「その件は任せておきなさい。彼女が約束を破ったら、私が足を折ってやるわ!」時田秋染はそう言うと、二冊の結婚証明書を手に取り、何度も見つめ、目には笑みが浮かんでいた。

この午後、時田浅子は家で何もすることがなかったが、まぶたがずっと痙攣し、時々耳が熱くなるのを感じていた。

これはどういうことだろう?

藤原時央は帰宅途中で、もうすぐ家に着くところだった。そこへ携帯の着信音が鳴り、画面を見ると眉をひそめながら電話に出た。

「清志?こんな時間に何か用?」

「今、佳奈恵とショッピングしていたら、ちょうどお前の家の近くに来たんだ。ちょっと食事でもどう?」

「都合が悪い。」藤原時央はきっぱりと断った。「でも、おじいさんの家なら大丈夫だと思うよ。行ってみる?」

「お前...」白沢清志は言葉に詰まった。「嫌なら嫌でいいじゃないか。なぜいつもおじいさんを悪者にするんだ。お前はもうこんなに長く結婚しているのに、俺たちは新婦に一度も会ったことがないんだぞ!」