第648章:本当に泣き虫だね

林聡明が去った後、リビングには静寂が訪れた。

時田浅子はゆっくりと時田秋染の前に歩み寄り、しゃがんで彼女の手を握った。

「お母さん、彼のことで気分を悪くしないで」

時田秋染は手を上げて時田浅子の手を握り返した。「安心して、彼はもう私の気持ちに影響を与えることはできないわ。そんな人のために、価値はないもの」

「ご飯ができましたよ、みなさん先に食べましょう」大木嵐が立ち上がって声をかけた。

「そうそう、食事だ!まずは食事、今日は団らんの食事だ、みんな少し明るくなろう」おじいさんも立ち上がった。

時田浅子は時田秋染を支えながらダイニングへ向かった。

席に着くと、団団はすぐに鶏肉の皿に目をつけ、鶏の足を一本取って時田秋染の茶碗に入れた。

「おばあちゃん、大きな鶏の足を食べて!とても美味しいよ!」