お爺さんは団子に五目並べを教えていて、藤原時央が時田浅子を抱えて階段を上がるのを見て、目に笑みを浮かべていた。
藤原時央は時田浅子を部屋に連れて戻ったが、彼女を手放す気にはなれなかった。
窓際のソファに座り、時田浅子をずっと彼の腕の中に抱きしめていた。
時田浅子の感情はすでに落ち着いていて、もう泣いてはいなかったが、さっきまであまりにも悲しく泣いていたため、まだすすり泣きが止まらなかった。
藤原時央の視線は彼女から離れなかった。
まつ毛がまだ濡れていて、目は赤く、鼻先まで赤くなっているのに気づいた。
この姿は、人の心を痛ませるものだった。
「どうしてずっと私を見つめているの?」時田浅子は少し恥ずかしそうに言った。
「綺麗だから」藤原時央は笑いながら答えた。
時田浅子はすぐに手を伸ばして彼の目を覆った。「泣いている時に綺麗な人なんていないわ」