第652章:彼の得意げな様子を見てよ!

だから、彼女たちはグループを作ったけど、彼を入れなかったの?

彼は思わず眉をひそめた。

入れないなら入れなくていい!

彼はそんなグループに入りたくもない!

「浅子、私たちのこのグループ、何て名前がいいかしら?」大木嵐が時田浅子の意見を求めた。

時田浅子はすぐには良い名前が思いつかなかった。

「仲良し家族でいいんじゃないか」おじいさんが提案した。

「それいいわね!」大木嵐が頷いた。

「うん、その名前いいわね」時田秋染も賛成した。

時田浅子はその名前を聞いて、ネット上のいくつかのミームを思い出し、思わず笑いながら頷いた。

「よし、変更するわ」大木嵐はすぐに操作した。

仲良し家族!

藤原時央は皆を見ていた。彼の分がない。彼はこの家族の一員ではないのか?

グループに一人足りないのに、誰も気づいていないのか?

「CMが終わったよ!」団団が声を上げた。

テレビから司会者の声が聞こえてきた。「皆さんも私と同じように、この出場者がドアを出て皆さんの前に現れるのを楽しみにしていることでしょう!彼女は誰でしょうか?全く予想できませんよね?ドアを開けてください!」

司会者の声に合わせて、時田浅子がギターを持ってドアの後ろからゆっくりと歩み出てきた。

「時田浅子!」

「時田浅子だ!」

「まさか時田浅子とは!本当に驚きました!」

「時田浅子、最高!」

会場の観客の何人かが興奮して立ち上がった。

「時田浅子さんをお迎えしましょう!」司会者は時田浅子を前に招き、インタビューを始めた。

当時の状況と同じように、今回も差別的な扱いや悪意ある編集はなかった。

時田浅子が画面の前で母親に語った言葉も、完全にそのまま放送された。

時田秋染の心は感動で一杯になり、涙が瞬く間に目に溢れた。

「お母さん、泣かないで。私、今回どうだった?」時田浅子は急いで時田秋染を慰めに行った。

「あなたのどの時の姿も、お母さんにとっては誇らしいものよ。お母さんの目には、あなたが一番素晴らしく映るの」時田秋染は少しも惜しむことなく娘を褒めた。

彼女の娘はそれほど優秀なのだ。

「だったら嬉しいはずでしょ、泣いちゃダメよ」時田浅子は手を上げて時田秋染の目尻の涙を拭った。

「これは嬉しさの涙よ」時田秋染は笑いながら答えた。