第691章:クズ父に痛烈な一撃

時田浅子はすぐに彼の意図を理解した。

彼女は振り返って墓石を見つめ、ゆっくりと口を開いた。「おじいさん、こちらは藤原時央です。藤原お爺さんの孫で、私の...彼氏です。」

「彼氏という言葉は言いにくいのかい?」藤原時央は笑いながら尋ねた。

時田浅子は手を上げて彼の体を軽く突き、顔中が照れで赤くなった。

彼女が認めたのに、彼はどうしたいの?

藤原時央は笑いながら彼女の手を握り、しっかりと掌の中に包み込んだ。「彼氏って言うのは少し言いづらいね。いっそ夫と呼んだらどうだい。」

「図々しい!」時田浅子は大声で反論した。

……

林おじいさんへの墓参りを終えた二人は、雲都の別荘に戻った。

藤原時央はさらに予定を一日延期した。

「明日、林グループの株主総会があるから、その時に一緒に参加しよう。」

「株主総会?」時田浅子は驚いた顔をした。「私は何も分からないけど、何か準備することある?」

「何も準備する必要はない。あなたが出席するだけでいい。本来なら、こういったことは他の人に任せようと思っていたんだけど、考えてみたら、あなた自身が経験して、会社の取締役会について知っておくべきだと思った。知識を増やすことは決して悪いことじゃない。」

「わかった。」時田浅子はうなずいた。「でも、あなたの時間を取らせてしまうね。」

「時間だけでなく、多くの仕事も遅らせている。でも、あなたが少し埋め合わせをしてくれれば、すべて価値があるよ。」

時田浅子は言葉を失った。

彼女は、以前の自分が本当に純真すぎたと感じた。

藤原時央が飽きるどころか、むしろますます彼女にべったりになっている!いったいいつになったら、彼の熱意は少し冷めるのだろうか?

……

翌日の早朝、現在の株主たちは早くから林グループの最上階の会議室に集まっていた。

林聡明もスーツをきちんと着こなして会議室に現れた。

「林社長、お久しぶりです。」ある株主がすぐに立ち上がって林聡明に近づいた。

「村上会長は先日、雲都にいなかったのでは?どうしてこんなに時間があって戻ってきたのですか。」これは林聡明が意図的に尋ねた質問だった。

「会社の株式がこれほど大きく変動し、さらに株主総会が開かれるというのに、もちろん来なければなりませんよ。」村上会長は笑顔で答えた。