028 赤ワインをかけられる

橋本月見は不満そうな顔で遠くにいる島田香織を睨みつけ、隣の藤原昭子の方を向いて不安そうに尋ねた。「本当に大丈夫なの?」

「絶対大丈夫よ!」藤原昭子は自信満々に橋本月見を見て、断言した。「私の言う通りにすれば間違いないわ!」

藤原昭子の言葉を聞いて、橋本月見は歯を食いしばって言った。「わかったわ、あなたの言う通りにするわ!」

藤原昭子は近くを通り過ぎる女性ウェイトレスのトレーから赤ワインを一杯取り、それを持って島田香織の方へ歩いていった。

「まあ、誰かと思えば島田香織じゃない」藤原昭子は優雅に手の中のワイングラスを軽く揺らしながら、挑発的に島田香織を見て尋ねた。「どうやってこっそり入ってきたの?」

陣内美念は藤原昭子の言葉を聞いて怒り、一歩前に出ようとしたが、島田香織に止められた。