126 面白いものを待つ

陣内美念は無関心な表情で藤原昭子を見つめ、グラスを持って立ち去った。

藤原昭子は裕福な家庭の令嬢だけに、大勢の前で怒りを露わにするわけにはいかず、怒りを抑えるしかなかった。

傍らにいた鈴村凛は藤原昭子が怒っているのを見て、急いで言った。「島田香織さんはもうドレスを着替えに行きましたよ。」

藤原昭子は、その言葉を聞いた瞬間に怒りが消え去った。彼女は今、島田香織の失態を見るのを楽しみにしており、隣の鈴村凛に向かって言った。「行きましょう、私の着替えに付き合って。戻ってきたら面白いショーが見られるわ!」

陣内美念は藤原昭子と鈴村凛の去っていく後ろ姿を見て、皮肉な笑みを浮かべながら別の方向へ歩き出した。誰が誰のショーを見ることになるか、まだわからないものね!

この時、島田香織はすでに富田玲に岡田家の特別な来賓用休憩室へ案内されていた。富田玲は周りを見回し、事前に用意されていたはずのドレスがハンガーにかかっていないのを見て一瞬戸惑い、その後笑顔で島田香織を見て、申し訳なさそうに言った。「島田お嬢様、少々お待ちください。ドレスを取りに行って参ります。」