126 面白いものを待つ

陣内美念は無関心な表情で藤原昭子を見つめ、グラスを持って立ち去った。

藤原昭子は裕福な家庭の令嬢だけに、大勢の前で怒りを露わにするわけにはいかず、怒りを抑えるしかなかった。

傍らにいた鈴村凛は藤原昭子が怒っているのを見て、急いで言った。「島田香織さんはもうドレスを着替えに行きましたよ。」

藤原昭子は、その言葉を聞いた瞬間に怒りが消え去った。彼女は今、島田香織の失態を見るのを楽しみにしており、隣の鈴村凛に向かって言った。「行きましょう、私の着替えに付き合って。戻ってきたら面白いショーが見られるわ!」

陣内美念は藤原昭子と鈴村凛の去っていく後ろ姿を見て、皮肉な笑みを浮かべながら別の方向へ歩き出した。誰が誰のショーを見ることになるか、まだわからないものね!

この時、島田香織はすでに富田玲に岡田家の特別な来賓用休憩室へ案内されていた。富田玲は周りを見回し、事前に用意されていたはずのドレスがハンガーにかかっていないのを見て一瞬戸惑い、その後笑顔で島田香織を見て、申し訳なさそうに言った。「島田お嬢様、少々お待ちください。ドレスを取りに行って参ります。」

島田香織は微笑みながら頷いて言った。「富田さん、ご面倒をおかけします。」

富田玲が去った後、島田香織は一人でソファに座り、富田玲の去っていく後ろ姿を見つめながら冷ややかに笑い出した。

すぐにドアがノックされ、外からウェイターが白いドレスを持って入ってきた。

「島田お嬢様、これはお嬢様のために特別にご用意したドレスでございます。」ウェイターはそう言いながら、ドレスを島田香織の前に差し出した。

島田香織はドレスを一目見て、頷きながら言った。「ありがとうございます。」

ウェイターが去った後、また外からノックの音が聞こえ、島田香織がドアを開けると、陣内美念がこそこそと入ってきたのを見て、思わず笑ってしまった。「そんなに用心深くする必要ないわよ。」

「だめよ、外の人に私が来たのを知られちゃいけないの。」陣内美念はそう言いながら、廊下に人がいないのを確認して、新しいドレスを島田香織に渡して言った。「早く着替えて、一緒に下りて面白いショーを見ましょう。」

陣内美念が島田香織に渡したドレスも白色で、ウェイターが持ってきたのはベアトップタイプだったが、こちらはキャミソールタイプだった。