藤原昭子の顔色が急変した。おじいさんは人を待たせることが一番嫌いだった。
仕方なく、藤原昭子は急いで祠堂へ向かった。
今の彼女の唯一の希望は、母親が早く戻ってくることだった。
藤原家祠堂に着いて、藤原昭子が中に入ると同時に、茶碗が彼女の足元に投げつけられた。
「バシッ!」
茶碗の破片が床に散らばり、お茶が彼女のズボンを濡らした。
ぼんやりと藤原昭子は、島田香織が祠堂で正座させられた夜を思い出した。その時もおじいさんは島田香織の前に茶碗を投げつけた。
あの時は島田香織がもっと厳しく罰せられればいいと思っていた。
まさに因果応報、今度は自分の番だ!
そう思うと、藤原昭子の瞳に憎しみの色が浮かんだ。
島田香織さえいなければ、おじいさんに叱られることも、罰せられることもなかったはずだ!