朝食の時、木村嵐は皆に向かって笑顔で言った。「午後はホテルに手配してもらったチャーターバスで観光地に行きます。料金もそんなに高くないですよ。」
木村嵐の言葉が終わるや否や、隣に座っていた鈴村野乃花は眉をひそめたが、何も言わなかった。
富田洋司は木村嵐の言葉を聞いて表情を変え、島田香織がリーダーの時は公共交通機関で大変だったことを思い出し、たまにはチャーターバスも悪くないと考えた。
葉山辰夫は最年少の18歳で、先輩たちの前では当然発言権はなかった。
その時、島田香織は隣でゆっくりと食事をしており、木村嵐が何を言おうと気にしていないようだった。
その日、木村嵐の指示の下、全員がチャーターバスで観光地を巡り、食事もすべてR国の名物料理だった。
翌日になって、木村嵐はようやくお金が少なくなっていることに気付いた。
木村嵐は朝食時に財布を取り出し、島田香織の前に置いて、冷たい表情で言った。「残金はこれだけです。島田お嬢様、これからはあなたがリーダーを続けてください。」
島田香織は一目で残金を確認した。4万円しか残っていない。この金額ではカプセルホテルに一泊するのがやっとで、食事代も観光地への交通費も賄えないことを意味していた。
高橋邦弘はその僅かな金額を見て、目に笑みを浮かべた。島田香織がどうリーダーシップを取るのか興味があった。
富田洋司は眉をひそめ、お金を見つめていた。
鈴村野乃花はその僅かな金額を見て、顔に悩ましい表情を浮かべた。「どうしましょう。このお金では足りませんよ。」
葉山辰夫は木村嵐を見上げ、困った表情で言った。「嵐さん、今回はあなたがリーダーだと言ったじゃないですか?」
島田香織は葉山辰夫の声を聞いて、一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに落ち着きを取り戻し、言った。「嵐さん、リーダーを務めると約束したのに、どうして簡単に投げ出すんですか?」
その時、コメント欄は盛り上がっていた。
--【島田香織は自分勝手だ。木村嵐を公衆の面前で困らせるなんて。】
--【それが自分勝手?笑、上のコメント、頭大丈夫?島田香織のことは好きじゃないけど、木村嵐が島田香織からリーダーの座を奪うのは正しいの?】