第153話 番組収録

また「世界一周旅行」というバラエティー番組の生配信の時間になり、多くのネットユーザーが配信ルームに殺到した。

番組の撮影が始まる前に、陸田健児が事情により第二回に参加できないというニュースが流れ、多くのファンがため息をついたが、それでも静かに配信ルームで待機していた。

そのため、今回の出演者は四人だけとなった。

島田香織が番組のスタジオに到着した時、他の出演者たちは既に揃っていた。

鈴村野乃花は島田香織が来たのを見て、最初に立ち上がって挨拶しようとしたが、傍らにいた三十三歳の女優、木村嵐に止められた。

「嵐さん?」鈴村野乃花は今年十九歳で、オーディション番組出身のアイドルで、ファンに人気があった。

木村嵐は何も言わず、ただ鈴村野乃花に首を振った。芸能界で長年過ごしてきた彼女は、面倒な人物と関わりたくなかった。ただ良い作品を作りたいだけだった。

彼女が鈴村野乃花を止めたのは、まだ若い彼女のキャリアが上昇期にあり、島田香織の影響で悪い方向に進むことを心配したからだった。

三十九歳の著名な監督、高橋邦弘と二十歳の子役俳優、富田洋司も頭を下げたまま、島田香織を見なかったふりをしていた。

実は番組側は島田香織との契約を解除しようと考え、上層部にその状況を報告したが、承認が下りなかったため、マネージャーは依然として島田香織のままだった。

島田香織は特に何も言わず、キャリーケースを引いて監督の前に行き、尋ねた。「監督、今回はどこに行くんですか?」

王監督はお団子ヘアで爽やかな様子の島田香織を見つめ、彼女の顔をじっと見た。彼はネット上で非難されているのに、まったく影響を受けていない彼女の厚顔無恥さに興味を持った。

「あ、あの、島田社長、今回はR国です。」王監督は躊躇いながら言った。

配信ルームのコメント欄。

--【ぷっ、島田社長!】

--【笑わせる、王監督こんなに弱気なの?島田香織と契約解除する勇気がないわけだ!】

--【今わかった、Weiboのトレンドの印象操作は島田香織が雇ったステマだ。出演者たちの反応を見てよ、誰も彼女と関わりたがってない。】

--【不倫女、芸能界から出ていけ、見るだけで吐き気がする!】

--【万人請願、島田香織を芸能界から追放しろ】

……