208 ごめんなさい

今日は陣内美念の誕生日で、美念は賑やかなのが好きなので、カラオケで誕生日パーティーを開くことにした。

来ていたのは彼女たちのサークルの友達で、島田香織は少し酒を飲まされ、部屋の中があまりにも暑かったので、美念に一言告げて、トイレに向かった。

トイレから出てきたところ、正面からビール腹の男が歩いてきて、その男は全身アルコールの臭いを漂わせていた。

「ここのスタッフは本当にケチだな、こんな可愛い子を紹介してくれないなんて!」

男は下品な笑みを浮かべながら、香織の手を掴もうとしたが、香織が避けると、「お嬢さん、本当に綺麗だね。友達になろうよ。部屋でもっと親密に話さない?」

この男は40代くらいで、太っていて、鼻の上には眼鏡をかけ、笑うと黄ばんだ歯が見え、吐き気がするほど気持ち悪かった。