藤原おじいさんの言葉が落ちると、藤原執事は書類かばんから一通の書類を取り出した。
今回、藤原執事は機転を利かせて、書類を開いてから島田根治と江田景の前に置いた。
江田景は冷たい表情で一瞥した。藤原家は本当に人によって態度を変えるものだと。
以前、島田香織が一般人として藤原家に嫁いだ時は、藤原家は島田香織に何の結納金も渡さなかったのに、今、藤原家は島田香織が島田家の令嬢だと知って、こんなにたくさんの結納金を用意するなんて!
江田景は思わず嘲笑した。
藤原おじいさんは江田景の親らしい態度を見て、顔色を悪くし、躊躇いながら尋ねた。「江田夫人、この結納金にご不満でしょうか?」
江田景は軽蔑的な笑みを収め、藤原おじいさんをじっと見つめながら言った。「藤原おじいさん、私たちには香織一人しか娘がいません。将来、私たちの財産もすべて香織のものです。」