島田香織と藤原おじいさまは並んでレストランの中へ歩いていき、藤原執事は藤原おじいさまの後ろに立っていた。
藤原おじいさまはいつも礼儀を重んじる人で、どこにいても体面を保とうとする人物だった。
彼は長老として、若い者と一緒に歩く時は、必ず若い者が後ろを歩くべきなのに、島田香織は礼儀作法を全く知らないのだ!
藤原おじいさまは眉をひそめたが、口には何も出さなかった。
藤原執事は予め席を予約していたので、一行が到着すると、すぐにデザートが運ばれてきた。
島田香織はそこに座り、ただ静かに藤原おじいさまを見つめていた。
藤原おじいさまは本来、島田香織に先に食べ始めてもらおうと思っていたが、彼女が食べないのを見て、ようやく口を開いた。「島田お嬢様、この味がお気に召しませんか?他のものをご注文しましょうか?」