330 目には目を

島田香織はナイフを脇に投げ捨て、藤原昭子から目を離さずに言った。「藤原さん、悪事を働くときは冷酷だったのに、今になって責任を取れないんですか?本当に情けないですね!」

藤原昭子は目を固く閉じたまま、開く勇気がなかった。

島田香織は横にいる陸田健児に手を伸ばし、陸田健児はマーカーを彼女に渡した。

少し離れたソファに座っていた鈴村秀美は、失望した目で藤原昭子を見つめていた。彼女は昭子が人に島田香織の顔を切らせた時の様子を想像することができた。

島田香織はマーカーで藤原昭子の顔に三本の線を引いた。昭子の体が震えているのを感じることができた。

島田香織は描き終わると、二人に藤原昭子を放すよう合図した。

藤原昭子は解放されるとその場に崩れ落ち、目を開けて泣きながら鈴村秀美の側まで這っていった。